チベット高原万華鏡
生業文化の古今の記録を地図化する
チベット高原万華鏡テキストDB
「チベット高原万華鏡テキストDB」では、フィールド調査の記録や文献資料に記録された牧畜や農耕といった生業にかかわるテキストを引用し、日本語以外の場合は翻訳も添え、「搾乳と乳加工」「糞」「食文化」「服飾文化」などのカテゴリータグをつけて集積しています。地図上にはプロットできない情報を含め、民族誌や旅行記、史資料の中にバラバラに存在していた生業にかかわる情報を検索可能な形で統合して見える形にすることで、新たな研究を生みだすことを目指しています。
なお、本DBは進行中のプロジェクトであり、引用や翻訳に間違いが含まれている可能性があることにご留意ください。ご利用される場合は、必ず原典を確認してご利用いただければ幸いです。問題があれば、 「チベット高原万華鏡」とはに示したお問い合わせ先にご連絡いただければ幸いです。また、論文、著書などで利用される場合は、本DBを利用したことに言及いただければ幸いです。
「チベット高原万華鏡テキストDB」の使い方
- セレクトボックスから選択することで、カテゴリー別に絞り込むことができます。カテゴリーは地図版よりも多く、31種用意しています。チベット牧畜文化辞典 のカテゴリーに「農業」、「ことわざ」、「その他」を加えたものです。
- フリーワード検索にも対応しています。引用テキスト(原文・翻訳とも)も検索可能です。複数のキーワードを入れると、1件の中にそれらの全てを含むデータを検索します。
- 右端の「詳細」ボタンを押すと、出典や原文などの詳細情報が現れます。
- 引用した原著テキストが日本語以外の場合、日本語訳と原文を両方提示しています。
1681
朝になっても起きないのは牛のよう 晩になっても寝ないのは馬のよう
1682
ロバに対してなら有効な計略も、ヤクに対しては効かない 木製の錐は、鉄には歯が立たない
1683
病の神に眼を付けられれば医者の母でも病気になる 遺失の神に眼を付けられれば占い師の牛でさえ見つからない
1684
逃げ去るゾには気付かない 逃げる虱(しらみ)は目に付くのに
1685
ヤクを九頭失って死なせてしまうか はたまたチャンタン地方の上質の塩を手に入れるか
1686
人が百人居れば百通りの考え ゾが百頭居れば角は二百通り
1687
蜂には縞模様があっても虎とは呼ばない カタツムリには角があってもドン(野生のヤク)とは呼ばない
1688
牛の老若を見分ける作業に庶民は長けているが、それは学問ではない
1689
母牛を可愛がっていると、自然と子牛のほうも懐いてくる
1690
隣の家の牝牛が死んでも三日くらいは喪に服せ
1691
百の言葉も要約すれば一言 百頭のゾも一本の綱に繋げる
1692
人を非難する厳しい言葉には確固たる根拠が必要だ 乳房のある牝牛だとしても実際に乳が出なければ
1693
肉が少々腐ったのは薬になるが 乳の腐ったのは毒
1694
年老いたゾは、体力はないけれども、路は良く知っている
1695
ゾが山中で死んだとしても 皮は家に持って帰れ
1696
人は正直であるべし 神は霊験あらたかであるべし そしてヤクの毛で作ったテントは重くあるべし
1697
狼は年老いても子羊を逃したりしない
1698
狼と羊とは同居不能 牡馬とヤクとは相性が悪い
1699
狼に食われたら 羊は二度と戻ってこない
1700
薬入れの中に毒 山羊の囲いの中に豹