チベット高原万華鏡 生業文化の古今の記録を地図化する モザイク柄のヘッダ画像

チベット高原万華鏡テキストDB

「チベット高原万華鏡テキストDB」では、フィールド調査の記録や文献資料に記録された牧畜や農耕といった生業にかかわるテキストを引用し、日本語以外の場合は翻訳も添え、「搾乳と乳加工」「糞」「食文化」「服飾文化」などのカテゴリータグをつけて集積しています。地図上にはプロットできない情報を含め、民族誌や旅行記、史資料の中にバラバラに存在していた生業にかかわる情報を検索可能な形で統合して見える形にすることで、新たな研究を生みだすことを目指しています。

なお、本DBは進行中のプロジェクトであり、引用や翻訳に間違いが含まれている可能性があることにご留意ください。ご利用される場合は、必ず原典を確認してご利用いただければ幸いです。問題があれば、 「チベット高原万華鏡」とはに示したお問い合わせ先にご連絡いただければ幸いです。また、論文、著書などで利用される場合は、本DBを利用したことに言及いただければ幸いです。

「チベット高原万華鏡テキストDB」の使い方
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その他
牛でも羊でも、生まれた子畜はすべて「協」の主人の所有となるが、作られた乳渣や酸乳などの酥油の副産物は、通常「協」の家が享受する。
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その他
同様に、「協」を引き受ける家は、自発的でもあり、やむを得ない場合もある。いわゆる自発的に「協」を引き受けるとは、家に少量の家畜しかおらず、基本的な生活を維持できないため、やむを得ず「協」を頼むことを指す。
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その他
ラマや牧民などは、自分自身で「協」を管理しますが、寺院や領主には「協」を専門で管理する人がいて、彼らを「協本」と呼びます。「協本」は毎年チベット暦の4月から5月にかけて牧区にやって来て、賃貸契約の手続きや解約手続きを開始します。これを「協堆」と呼びます。5月から、「協本」は各賃貸「協」戸に行き、家畜の状態をチェックし、子羊や2歳の子牛に印を押します(角や蹄に「協」主の焼印をつけます)。これを「查加」と呼びます。「協本」は夏の間ずっと牧区に滞在し、7月から8月にかけて各戸に行って牧租を回収し、同時に、乳牛の虚偽報告がないか、また死亡した家畜の登録抹消手続きを行います。羊毛租を徴収する綿羊についても、この時期にその場で羊毛を刈り取ります。この手続きを「玛杜」と呼びます。
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その他
(五) 研究の分析の必要に応じて、私たちは労働牧民を貧困層、中間層、富裕層の三つの階層に分けました。この区分基準は現地の実際の差異に基づいています。すなわち、四人家族(またはそれ以上)で一人あたり48頭の羊(または8頭の牛)しか持たない、もしくは一世帯あたり合計で192頭の羊を下回る場合を中間層と貧困層の境界としています。さらに、より多くの家畜を所有し、雇い労働者を使用している牧畜世帯においては、純粋な搾取量が35%を超えるかどうかを富裕層と中間層の区別の基準としました。これらの基準は、貧富の差を反映する参考として使用できます(詳細は第4部を参照)。
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