チベット高原万華鏡
生業文化の古今の記録を地図化する
チベット高原万華鏡テキストDB
「チベット高原万華鏡テキストDB」では、フィールド調査の記録や文献資料に記録された牧畜や農耕といった生業にかかわるテキストを引用し、日本語以外の場合は翻訳も添え、「搾乳と乳加工」「糞」「食文化」「服飾文化」などのカテゴリータグをつけて集積しています。地図上にはプロットできない情報を含め、民族誌や旅行記、史資料の中にバラバラに存在していた生業にかかわる情報を検索可能な形で統合して見える形にすることで、新たな研究を生みだすことを目指しています。
なお、本DBは進行中のプロジェクトであり、引用や翻訳に間違いが含まれている可能性があることにご留意ください。ご利用される場合は、必ず原典を確認してご利用いただければ幸いです。問題があれば、 「チベット高原万華鏡」とはに示したお問い合わせ先にご連絡いただければ幸いです。また、論文、著書などで利用される場合は、本DBを利用したことに言及いただければ幸いです。
「チベット高原万華鏡テキストDB」の使い方
- セレクトボックスから選択することで、カテゴリー別に絞り込むことができます。カテゴリーは地図版よりも多く、31種用意しています。チベット牧畜文化辞典 のカテゴリーに「農業」、「ことわざ」、「その他」を加えたものです。
- フリーワード検索にも対応しています。引用テキスト(原文・翻訳とも)も検索可能です。複数のキーワードを入れると、1件の中にそれらの全てを含むデータを検索します。
- 右端の「詳細」ボタンを押すと、出典や原文などの詳細情報が現れます。
- 引用した原著テキストが日本語以外の場合、日本語訳と原文を両方提示しています。
1961
水嵩が上がれば船も上がるし 水嵩が下がれば船も下がる
1962
川と魚が仲良くすれば 両者ともが幸せに暮らせる
1963
小さな川はチョロチョロうるさい 徳の少ない人間は自慢話しがうるさい
1964
水が平穏でなければ魚も安心ではない
1965
洪水が起こる前に堤防は築くべきだし 事が起こる前に対策を考えるべきだ
1966
清水をかき回してもバターは出来ない 普通の岩石をいくら搾っても油は採れない
1967
川面を杖で叩いても 魚にとっては何ともない
1969
水を茶漉しで汲んても 茶漉しの中には水は溜まらない
1970
宗教者と知り合いになれば修行をするような人になるし 泥棒と知り合いになれば盗みをするような人になる
1972
虹の色のように美しい飾り 弥勒仏のように慈しみのある心
1973
虹の色がどれだけ美しくても単なる現象だ 雷がどれだけおおきな音声でも実体のない声だ
1974
この輪廻世界は広大 そこ(六道)に住む生き物は無数
1975
この人間世界の成り行きを人間でさえ知り得ないのだから 獅子の行動様式をどうして犬が知り得ようか
1976
後で親密になりたいって言うのなら脅かしてはだめ 後で俸給が必要なら好き放題はだめ
1977
威厳は獅子のごとく 美麗は花のごとくあれ
1978
遠くに昇る太陽は手で妨げることは出来ない 湧きだす泉は大地でさえ圧し止めることは出来ない
1979
太陽はすべての国に昇り出る 暗闇は私(我執を持つわたし)の頭の中にある
1980
百日かけても語り尽くせないことがあるし 一昼夜かけ泣いても泣き尽くせないほどの想いもある